【国内】小説や音楽の著作権の保護期間、作者の死後70年に延長方針

政府は、小説や音楽の著作権の保護期間を1970年に制定された現行の「作者の死後50年」より20年長い「作者の死後70年」に延長する著作権法の改正案を今国会に提出しました。

著作権の保護期間は、1990年代に欧米の多くの国が「70年」に延ばしていますが、日本では「過去の作品を広く社会が活用するために延長すべきでない」などの論調が強く、文学作品や音楽は「50年」のままとなっていました。

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では米国の要求に応じ、保護期間を死後70年以上に統一することで合意していましたが、トランプ政権となって米国が離脱した11カ国の交渉(TPP11)では保護期間延長を一時棚上げしていました。
なお、映画の著作物については2003年の法改正で保護期間が「作品公表後50年」から「70年」に延長されています。

しかし、政府は、経済協力開発機構(OECD)諸国の多くが死後70年としていることから、TPP11の署名後に著作権法改正案を提出しています。

 この法案が成立した場合、TPP11の発効後に施行する方向で検討されています。但し、2017年12月に交渉妥結した日欧の経済連携協定(EPA)の発効が先となれば、TPP11の発効前に施行する可能性もあるとしています。なお、政府は、いずれの協定も2019年の発効を目指しています。