【国内】商標登録「マリカー」、任天堂の異議却下

任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の略称である「マリカー」を、公道カートのレンタルサービスを行っている株式会社マリカーが商標登録したことについて、任天堂が特許庁に異議申立(異議2016-900309)をしていましたが、特許庁は異議を認めず株式会社マリカーの登録商標を維持する決定をしました。

 株式会社マリカーは、文字商標の「マリカー」を出願し、この「マリカー」は、2016年6月に登録されました。その後、9月に任天堂は、特許庁に異議申立を行いましたが、特許庁は、「マリオカート/MARIOKART」は、任天堂の製造、販売に係るゲームソフトウェアとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に相当程度、知られていたものといい得る。しかしながら、任天堂は、引用商標の略称を表すものとして、「マリカー」の文字が、任天堂商品を表すものとして広く知られていると主張するが、その根拠として提出する証拠には、「マリオカート/MARIOKART」のゲームソフトウェアのタイトルとともにその説明文中に表示されたり、個人のブログ中に表示されているのみで、「マリカー」の文字が単独で使用され、任天堂商品を表すものとして広く知られていることを認めるに足りる証拠もないことから、「マリカー」についての著名性の程度を推し量ることができない。また、東京工芸大学の「調査結果ニュースリリース」には、表題の一部に「マリカー」の文字を使用しているところ、その説明文において、「マリオカート」と略称しない表示とともに使用されているものである。そうすると、任天堂が提出した証拠のみをもってしては、引用商標を構成する「MARIOKART」及び「マリオカート」の文字が本件商標の登録出願時において任天堂商品を表示する商標としてその需要者の間で相当程度知られていることは認め得るとしても、「マリカー」の文字が、申立人商品及び引用商標の略称を表示するものとして、本件商標の登録出願日前より我が国の一般の需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。として周知性を否定しました。