ネット上の著作権保護について、欧州で新ルール承認

ネット上の著作権保護について、欧州で新ルール承認

著作権の保護と適切な利用とを促す国際組織、著作権協会国際連合(CISAC)及び日本音楽著作権協会(JASRAC)が、欧州連合欧州議会で3月26日に承認されたネット上の著作権保護の新ルールについて記者会見を開きました。

この度、欧州連合欧州議会で承認されたルールでは、動画や音楽等の違法配信の責任は、 “プラットフォーマ―”と呼ばれる企業(一般ユーザーである利用者が動画や音楽等をアップロードするYouTubeやFacebookなど)にあると明記しました。その上で、“プラットフォーマー”が著作権者に適切な著作権使用料を支払うことを義務付けるとしました。今後、EU加盟国の閣僚理事会が正式承認すれば、2年以内に加盟国内で法制化されます。

CISACのガディ氏によれば、全世界の管理者団体における徴収の現状において、SpotifyやAmazon、Appleといった企業自身で動画や音楽等の配信サービスを行っている事業者は、YouTubeやFacebookなどのプラットフォーマ―に比べて最大約17倍の著作権料を支払っていると述べています。

現時点で、欧州の新ルールに基づいて日本の著作権法を改正するという動きはないようですが、今後影響が出てくると思われます。
ネットの拡大とともに著作物の違法アップロードなど、一般ユーザーが不用意に著作権法違反を犯す機会が拡大しています。一方、著作権料の納付方法や金額が複雑であるため、一般ユーザーが著作物を適法に利用しにくいとの声もあります。この度の新ルールにより、上記の様な問題が解決され、知らずに著作権違法を犯してしまう一般ユーザーが減少することを期待します。