おかやまマラソン2017
私は天野特許事務所で弁理士として働いている。
ご存知の通り、弁理士の仕事は一日中デスクに座ってPCとにらめっこだ。
仕事漬けの毎日で、その昔某スポーツジムで測った私の下半身の筋肉量は老人並み(常人の1/2)だった。
「これはやばい・・・」本気でそう思った。
私はスポーツクラブにせっせと通い筋肉をつけ、体力増強をはかったのである。
マラソンを始めたきっかけは、2015年から地元岡山で県を挙げてのおかやまマラソンが開催されたことに遡る。
地元愛をアピールするため、私は第1回からおかやまマラソンに毎年参加している。
そんな私の今年の目標は4時間を切ること。できれば、(所長に「ギリギリやん」と言わせないために)3時間40分台で走ることであった。
マラソン当日、AM6:50、会場入り。
昨年と同様、更衣室に入ってさっそくランニングウェアに着替え、トイレへ。
(・・・・まずいな)
(・・・・出ない)
私には昨年、苦い思い出があった。
それは27キロ地点でのこと。
あのトイレですべてが狂った。
トイレの後で太ももの痛みを意識するようになってしまったし、
それにあの簡易トイレにはトイレットペーパーが殆どなくて・・・
更衣室を出てスタートゾーン付近まで移動。今年はここで、今年初参加で5.6kmのファンランを走る事務所の小川さん、同じく初参加でフルマラソンを走る新婚の後藤君、私と同じ3回目の参加でフルマラソンを走る新婦の松本さんと合流することになっていた。
小川さんと後藤君と合流したところで「スタートゾーンに集まってください」とのアナウンス。
(じゃあ、そろそろ行くか! いや、待て、待て。キターーーーーー!!!)
うれしさを抑えてトイレに向かって走った。
だけどスタート直前のトイレの列は長かった。
スタートゾーン入場制限10分前、やっとの思いで個室にたどり着き、腰を下ろした。
(ヤッター! 出た!!!)
こうして、私のおかやまマラソン2017は快便とともに始まったのである。
まずは誰とも競り合うことなくマイペースで走った。
すると、10km時点で
「有森(裕子)さんに遅れてるで!」と声援が聞こえた。
すぐ前に有森さんが走っているようだ。
11km手前で声援に応えながら走っている有森さんを発見。
すかさず並走してハイタッチを求めた。
「有森さんお疲れ様です!」有森さんは笑顔でハイタッチに応じてくれた。
27km時点、とにかくマイペースを意識。
去年お世話になった簡易トイレを横目に走る。
(便意は全く催さない!太ももも痛くない!今年はいける!!)
当初の予定通り30km地点でペースアップ。
それから2~3km走ると、急に左足首が痛くなった。
抜いていったランナーたちに抜き返された。悔しい。
だけど、足首を今にも「グキッ」と痛めそうだったから、
できるだけ負担をかけないよう抜かれるのを我慢して走った。
40km時点、ストップウォッチを確認すると3時間38分。
「いける!」
最終競技場に入る地点、
走り終えて応援してくれているはずの
小川さんの姿は・・・なかった・・・。
そしてスパートして、ゴール。
結果、3時間48分!目標達成!
ゴール後にメダルと記録証をもらって競技場から出ると、
応援に来ていた母の携帯に小川さんから電話があり、私が出た。
小「一緒に競技場入口で池田さんを応援しませんか?」
私「・・・小川さん、僕もうゴールしました・・・」
小「・・・えっ!?池田さん? もうゴールしたの・・・・(;・∀・)」
こうして年1恒例のおかやまマラソンは快便、快走、小川さんのずっこけとともに静かに幕を下ろしたのである。
後日聞いた話だが、松本さんは初参加の後藤君のペースに併せ走ったばっかりに、自分のペースで走れず、ゴール手前2kmの関門で時間切れのためバスに回収されたらしい。そして、悔しさのあまり号泣し、その号泣が余りに激しかったのでインタビューをされそうになったとか。
一方、夫の後藤君は、新妻をおいて関門前で猛ダッシュ!
見事に関門を潜り抜け完走を果たしたのだが、このアツアツ新婚カップルの愛が乾燥(カンソウ)してしまわないことを祈るばかりである。
来年もおかやまマラソンに参加し、今年のタイムを大きく縮めるため日々のトレーニングに励みたい。
(文責:池田 義典)