【国内】JASRAC、排除措置命令が確定
9月14日、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、公正取引委員会が出していた排除措置命令に対して不服審判請求を取下げました。これにより、JASRACに対する排除措置命令が確定し、JASRACが放送事業者と結んでいる「包括的利用許諾契約」は独占禁止法上の私的独占に当たることとなりました。
JASRACは、著作権者から音楽著作権の管理委託を受け、放送事業者等に楽曲の使用許諾を行うことで使用料を徴収し、著作権者に分配する事業を営んでいます。JASRACは、これまで放送事業者と使用許諾契約を締結する際に、実際の楽曲の使用回数などではなく、放送事業者の放送収入に一定率を乗じた額を使用料として納入する「包括徴収システム」を導入し、ほぼ全ての放送事業者と契約を締結していました。
そのため、放送事業者が他の事業者の管理する楽曲を使用する場合には使用料の負担が増加することになり、このことが他の事業者の新規参入を阻害しているとして、公正取引委員会は2009年に排除措置命令を出していました。その後、この排除措置命令は、JASRACの不服申立てにより一度は取り消されましたが、著作権管理会社「イーライセンス」が提起した審決取消訴訟により最高裁が再審査を求めていました。