【国内】東京五輪の旧エンブレム問題、ドビ氏が訴訟取下げ
2月1日、国際オリンピック委員会(IOC)及び2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は、白紙撤回された東京2020の旧エンブレムについて、ベルギー人デザイナーのOlivier Debie(オリビエ・ドビ)氏とSprl Debie Graphic Design(ドビグラフィックデザイン)とが提起していた訴訟が取下げられたことを確認したとの共同声明を発表しました。
この訴訟は、旧エンブレムがベルギーのThéâtre de Liège(リエージュ劇場)のロゴに類似しているとして、同劇場のデザイナーであるドビ氏と劇場とがIOCに対して著作権侵害に基づく差止めをベルギーで提訴したものです。
旧エンブレムは、IOCによって昨年7月24日に公表されましたが、ドビ氏及び劇場が訴訟を提起したことで旧エンブレムとリエージュ劇場とのロゴが酷似していると話題になりました。このエンブレムをデザインした佐野氏は、このエンブレムの騒動の際に、「ベルギーの劇場ロゴは全く知らないもので制作時に参考にした事実はない。」などとコメントし、盗作の疑いを否定していましたが、その後に、佐野氏の事務所が手掛けていた他のデザイン等で模倣が疑われるものが多数発覚したことで騒動が拡大し、組織委員会が9月1日に白紙撤回を発表していました。
IOC及び組織委員会は、今回の共同声明で「旧エンブレムは、ドビ氏の著作権及び著作者人格権を一切侵害しておらず、本件についての裁判所の判断を待っていた。」とコメントしています。
ドビ氏は、「IOCとの和解を試み、訴訟に要した時間などの補償を求めたが、IOCから拒否された。損害賠償を求める訴訟は費用が掛かるため別の仕事をした方がよいと考えたため取下げを決めた。」とコメントしています。