【国内】富士フイルム、中国の製薬会社と「アビガン錠」に関する特許ライセンス契約を締結
6月22日、富士フイルムは、抗インフルエンザウイルス薬アビガン錠の有効成分ファビピラビルに関する保有特許の実施許諾契約を、中国の浙江海正薬業股?有限公司と締結したと発表しました。
アビガン錠は、富士フイルムグループの富山化学工業が創製したもので、2014年にエボラ出血熱対策としても使用されたことで注目を集めた抗インフルエンザウイルス薬です。
多くの抗ウイルス薬は、増殖したウイルスの放出を阻害して感染の拡大を防ぐノイラミニダーゼ阻害薬を使用しています。一方、ファビピラビルが入っているアビガン錠は、細胞内でのウイルスの遺伝子複製を阻害することで増殖を防ぐRNAポリメラーゼ阻害薬で、動物実験では各種鳥インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス作用が確認されています。
中国では、通常の季節性インフルエンザ以外にも、H5N1、H7N9等の鳥インフルエンザの人への感染が確認されています。さらに今後、鳥インフルエンザウイルスが、人から人へ感染するように変異し、新型インフルエンザウイルスへとなった場合にパンデミック(爆発的な感染)に繋がることが懸念されています。