【国内】富士フイルム 対 DHCの訴訟、富士フイルムの請求棄却
8月30日、富士フイルムが化粧品の特許権を侵害されたとして、ディーエイチシー(DHC)に対し、化粧品2種の製造、販売の差止め及び1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁で下されました。
富士フイルムは、2012年に特許第5046756号として登録となった、抗酸化成分(シミやしわの原因を取り除く成分)を化粧品に安定的に混ぜる製造技術を利用して、「アスタリフト」のシリーズ名で複数の商品を販売しています。一方、DHCは、2014年から「DHCアスタキサンチン ジェル」と「DHCアスタキサンチン ローション」とを製造、販売していました。
富士フイルムは、DHCが販売していたこれらの2商品について、自社が保有する特許を侵害されたとしてDHCを訴えていました。これに対し東京地裁判決(長谷川浩二裁判長)では、富士フイルムの特許について、出願前に公開されている別の化粧品の成分リストから容易に発明ができるもので、特許無効審判で無効にされるべきであると判断し、富士フイルムの請求棄却とする判決を下しました。
なお、DHCは、2015年2月に、この特許を無効にするよう求める審判を申し立てましたが、特許庁は今年3月、「特許は有効」としたため、特許庁と地裁とで判断が分かれる結果となっています。なお、DHCは、現在、特許庁の判断の取り消しを求め、知財高裁で争っています。
今回の判決について、富士フイルムは、「判決の詳細を確認の上、速やかに控訴する」とコメントし、DHCは、「当社の主張が認められ、大変満足している」としています。