【国内】商標データベース「TMview」に日本の商標情報が掲載
11月23日、特許庁は、世界最大規模の無料の商標データベース「TMview」に、日本の商標登録出願及び登録商標に関する情報の提供を開始しました。
TMviewは、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)が提供しており、商標登録出願、登録商標の検索及び詳細情報の照会を一括して行うことができる情報提供サービスです。このサービスは、2010年4月から開始しており、多言語で簡便かつ無料で24時間利用可能です。
今回、日本の商標情報が加わったことで、43の国及び機関(日本、オーストリア、ブルガリア、ベネルクス、カナダ、スイス、キプロス、チェコ共和国、ドイツ、デンマーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ギリシャ、クロアチア、ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、韓国、リトアニア、ラトビア、モロッコ、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、マルタ、メキシコ、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、ロシア連邦、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、チュニジア、トルコ、米国、OHIM、WIPO)の約3100万件のデータが蓄積されることとなり、31の言語で検索、照会することができます。
企業等が新たなブランドを立ち上げて世界中でビジネスを行う場合、進出先の各国において商標登録出願を行い権利化しておくことが好ましいですが、確実に権利化するためには、各国における商標登録出願及び登録商標の調査を行うことが望まれます。しかし、各国での商標登録出願及び登録商標を個別に調査するには時間やコストが嵩みます。そこで、特許庁は、2014年12月第三回商標五庁会合の共同声明に基づき、今般、商標情報をTMviewへ提供することしました。
この共同声明に基づきTMviewに提供する情報は、日本国特許庁が所有する日本の商標の書誌情報、経過情報、イメージデータ等、商標の出願・登録に関する詳細な情報です。また、これらの情報は、今後も随時更新されます。
なお、今回のデータ提供を契機として、TMviewで日本語の検索画面も準備されることとなりました。
特許庁は、TMviewに商標登録出願及び登録商標に関する情報の提供をしたことによって、
「グローバルにブランド展開を考える我が国のユーザーが、我が国の商標情報を含めた世界の商標出願・登録情報を、無料で、一括検索できるようになるため、当該データベースを利用する利便性がさらに向上し、世界におけるブランド戦略を策定する上で有効に活用されることが期待される」とコメントし、また、日本語による検索画面が実装されることで、日本のユーザーが世界でのブランド戦略を策定する上で有効に活用することを期待しているとしています。