【国内】せち焼き、商標権侵害訴訟で和解

 2月2日、焼きそばと卵とを使用した和歌山県御坊市のご当地料理「せち焼き」を巡り、無断でメニューに組み込まれ商標権を侵害されたとして、同市の専門店が大阪市内のお好み焼き店に損害賠償などを請求して大阪地裁に訴えた訴訟で、1月28日付で大阪市内のお好み焼き店が今後「せち焼き」の名称を使用しないことを条件に和解したことが分かりました。

 原告は、御坊市にある専門店「せち焼き やました」の経営者です。

 せち焼きは、「焼きそばを、小麦粉を使わずに卵だけで固め、お好み焼き状にまとめたもの」です。訴状によると、せち焼きを考案したのは、原告の祖母である「せち焼き やました」の初代店主で、昭和30年頃に客から「焼きそばを卵でせちごうて(御坊市の方言で「無茶苦茶にする、いじめる」などといった意味)」とのリクエストがあり、試行錯誤した結果、せち焼きを完成させたとのことです。その後、原告は、「せち焼き」の名称で2011年4月7日に商標登録出願を行い、2011年9月30日に商標登録(登録第5441244号)されています。

 なお、大阪市内のお好み焼き店は、2012年1月頃から「和歌山県御坊市の焼き物」としてせち焼きを提供していました。
 原告代理人は、「せち焼きを御坊市以外で売り出して欲しくないという希望が通ってよかった」とコメントしています。