【国内】イソジンのカバくんを巡る対立、ムンディファーマがパッケージの変更で終結
4月5日、うがい薬として有名な「イソジン」を製造販売する米系製薬会社のムンディファーマと明治とのイソジンを巡る対立について、ムンディファーマは、カバ風のイラストを用いた包装デザインを8月末までに変更すると発表しました。
ムンディファーマは、イソジンには、うがい薬の他、傷薬、軟膏薬なども存在するため、今後は「うがい薬」のイメージから「消毒薬全般」に使用できるイメージに刷新して販売していくとコメントしています。
イソジンは、ムンディファーマと明治との提携で、1961年から販売されている医療用医薬品の外用消毒剤で、「イソジン」の商標(登録第584989号)は、ムンディファーマが保有している一方、イソジンのイメージキャラクターである「カバくんのイラスト」の商標(登録第2643659号)については、明治が保有しています。
今回のイソジンを巡る対立は、2015年3月にムンディファーマが明治に対しイソジンブランドのライセンス契約解消を通知したことで始まりました。明治は、長期的な提携関係の維持を望みましたが、最終的には、ライセンス契約の解消について両社で合意しました。
ライセンス契約の解消後、両社はそれぞれが独自の商標を使用し、うがい薬を販売していましたが、新商品として販売した包装のデザインなどが類似していたため、消費者に混同・誤認させており、不正競争防止法に違反するとして、東京地裁に不正競争行為等差止の仮処分の申立てを両社が互いに行いました。
明治は、「カバくんに類似したキャラクターを使わないよう、12月及び1月の2度に渡りムンディファーマに書面で申し入れたが、対応から申し入れは実現されないと判断した」とし2月9日に不正競争行為等差止の仮処分を行いました。一方、ムンディファーマは、「明治との提携を解消する際に、厚生労働省に提出しているイソジンの製造販売承認を明治から移管、承継することについて明治と合意したが、明治が販売しているうがい薬は、従来のイソジンとほぼ同じパッケージであり、消費者に混同・誤認させる」と主張しました。
ムンディファーマは、「認識の違いが生じた場合は、信義誠実の原則に基づき話し合いで解決すると決めていたにもかかわらず、明治から一方的に書類が送られてきた上、話し合う間もなく、仮処分を申し立ててきたため、仮処分の申し立てを行うのはやむを得なかった」とコメントしていました。
ムンディファーマ日本法人社長の木村昭介氏は、「デザインが類似すると指摘されていた「イソファミリー」の絵柄は8月31日で終了する。8月末にはうがい薬や手洗いなどの消毒全般に使えるイソジンの進化した形をお見せしたい」とコメントしました。