【海外】《アメリカニュース》iPS細胞由来の抗原特異的若返りT細胞、米国で特許登録
1月4日、東京大学は、「iPS細胞由来の抗原特異的若返りT細胞」に関する基本特許が、米国で昨年12月8日付で特許登録(米国特許第US9206394号)されたと発表しました。
該特許は、東大が出願人として国際出願しており、発明名称は「METHOD FOR RECONSTRUCTING IMMUNE FUNCTION USING PLURIPOTENT STEM CELLS(多能性幹細胞を用いた免疫機能再建法)」です。
細胞傷害性T細胞は、癌やウイルス感染に対する全身性免疫の誘導で中心的な役割を果たす細胞の一種で、度重なる外敵の侵入や慢性的な感染状態での繰り返しの抗原刺激で疲弊、老化して、免疫機能が低下してしまいます。
一方、本発明は、疲弊、老化した細胞傷害性T細胞をiPS細胞の状態(T-iPS細胞)に初期化し、再び細胞傷害性T細胞に分化誘導させることで、本来のT細胞の抗原認識能力を保持したまま増殖能力の回復した若返りT細胞を大量に得ることができます。これによって、現在の免疫細胞療法に代わり、「抗原特異的なT細胞を若返らせ多量に再生する」という新しい免疫細胞療法を可能にすることができるとされています。
該特許権は、東大が株式会社iCELL(アイセル)に独占的実施権を与えています(2011年2月~31年2月)。アイセルは、「該特許及び関連技術の日米における事業化を、子会社である(株)アドバンスト・イミュノセラピーを通じて推進し、本技術の臨床応用を目指していく」とコメントしています。